キト市、2026年5月28日 —エクアドルの首都キト市のマイクロシアター「Microteatro UIO」で5月28日から、飼い犬をわが子のように育てる「ペルリィホス(犬息子・犬娘)」現象をテーマにした舞台『Con mis perrhijos no te metas(うちのペルリィホスに口を出さないで)』の上演が始まった。
本作は、犬を飼う独身の男女がマンションで繰り広げる騒動を描いたコメディー作品だ。ある日、女性が「うちの大事な子に何したの!」と男性を問い詰めたことをきっかけに、双方の「うちの子」を巡る対立が激化していく。
主役の男性を演じたアルフレド・エスピノサ氏によると、この作品のテーマは「動物を人間のように扱うとき、何が起きるのか」。
エクアドルでは今月、市民登録局が結婚式へのペット参加を認める「ペットフレンドリー婚」が導入された。ペットを単なる愛玩動物ではなく家族とみなす考え方は、社会制度にも少しずつ反映されつつある。
エスピノサ氏は、このような変化の背景として、経済的不安や個人主義の広がりに加え、子どもを持たない人が増えている現代社会の状況を挙げる。さらに、学業や仕事に多くの時間を費やさなければならないなどライフスタイルの変化も影響していると同氏は考察する。ペットはそうした人々にとって、愛情を注ぎ、何かを慈しみ育てたいという気持ちの新たな受け皿になっているという。
同氏は、ペットを愛すること自体は否定しない。しかし、子どもやパートナーなど人間関係にはさまざまな責任が伴うのに対し、ペットとの関係では、そうした複雑な関係に向き合うことなく愛情を注ぐことができるのではないかと問いかける。『Con mis perrhijos no te metas』は、そんな現代人の心のありようを笑いの中に映し出した作品だ。(EFE)

画像:Microteatro UIO公式Instagramより
「ペルリィホ(perrhijo)」は、スペイン語の「犬(perro)」と「子ども・息子(hijo)」を組み合わせた造語です。英語にも「fur baby(毛むくじゃらの赤ちゃん)」という似た表現があります。元々は大切な飼い犬を指す表現ですが、近年ではペットを家族の一員とみなす価値観を象徴する言葉として使われたりします。
こうした価値観を象徴する出来事として、エクアドルでは2026年5月、市民登録局が結婚式にペットを同伴できる「ペットフレンドリー婚」のサービスを開始しました。ペットに法的な証人資格が与えられるわけではありませんが、人生の節目となる結婚式に家族の一員として犬や猫たちも参加できるようにしたものです。(國貞)
